物語文『ぼくたちのリアル』読み取りのポイント 5年生
物語文『ぼくたちのリアル』 戸森しるこ 著
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〇あらすじ
主人公ぼく(アスカ/飛鳥井)は、学年一人気者であるリアル(秋山璃在)と転校生であるサジ(川上サジ)と同級生であった。
合唱祭を控えたある日、伴奏者を決めるための会を開いた。
本当ならば、有名人でピアノも上手な藤間愛莉が伴奏をするはずのところ、彼女はある理由により登校拒否を続けていたのだ。他に誰も立候補者がいなかった。ぼくの父はピアノの調律師であることから、ぼくをリアルが伴奏に推薦した。ぼくは引き受けざるを得なくなっってしまった。ぼくは目立つタイプの人間ではないため、合唱祭で伴奏をすることに抵抗感を覚えながらも、リアルとサジとともに練習を続けてきた。
〇読み取りのポイント
「だけどその言葉は、たぶんぼくにはふさわしくない。そう思ったから、ぼくはリアルにバレないように、後ろの席のサジにその言葉をゆずった」
ぼくは、はじめ自分の損得ばかりを気にして藤間の力になりたいと考えているように見えたサジに、不信感を抱いていた。しかし、サジは自分のつらい過去を話し、藤間自身の考えを正そうとしたことに優しさが表れて感心したのだ。ここが、サジへの心情・評価の変化が見えたところであり、受け入れようと心を開いた瞬間であった。また、素直になれた藤間やそれを見て元気を取り戻したリアルたちが、クラスをまとめ上げた立役者であるサジの行動にねぎらいや感謝の意を表したかった。