senseinomirai日記

学校の先生がみる我が子の宿題大公開 最難関中学受験 丸写しはしないでね     ☆読書感想文・自由研究公開中☆2020

読書感想文6年生『しずかな日々』

読書感想文 6年生

題材 『しずかな日々』

 僕はこの『しずかな日々』という題名に惹かれた。今年の夏は特別で、世界中に新型ウイルスが蔓延して騒々しさを感じていた。しずかに暮らしていなければいけない一方で、それぞれの生き方や社会的な暗黙のルールが、批判されたり討論されたりしている。穏やかに過ごせる日々を、僕はこの本を通して感じられるのではないかと思い、読み始めた。

 主人公の光輝にとっての「しずかな日々」とは、五年生の夏休みに祖父の家で過ごした時間だった。光輝は母と一緒に引越しすることをやめて、祖父の家から学校へ通うことを決めた。光輝は今の学校で、初めて友達との楽しい日々の営みを築くことができていたからだ。その生活は光輝にとって貴重な体験であり、手放すことはできなかったのである。この選択こそが、光輝の人生のターニングポイントになるのだった。

 それまでは、内気で目立たず、何の取り得もない冴えない毎日を送る光輝だったが、クラス替えをきっかけに人気者の押野が仲間に入れてくれて、放課後に草野球をするのが日課になった。光輝は野球をしたことは殆どなく、「すげーへっぴり」「センスなし」と言われるけれど、楽しくて仕方がなかった。なぜならそこにいる仲間同士は、得意でも不得意でも干渉し合うことなく、居心地のいい時間を互いに感じていたからだ。僕にもそのような友達がいるので、光輝の気持ちがよく理解できた。僕はこれから先、今の友達関係がどうなっていくのかわからないが、大切にしていきたいと思いながら中学受験の勉強に励んでいる。友達と進む道が違っても、この努力がどのような結果になろうとも、真の友達ならば認め合うことができると信じている。

 もしも、ようやく手に入れることのできた友達との楽しい日々の営みが突然途切れそうになった時、「人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく。」という光輝の選んだ決意を僕は思い出すと思う。僕達は、毎日何かしらの選択をしながら生きているが、一つの選択によって、その後の人生が全く違うものになるということを、僕はこの本から学んだ。子どもにとって大人は絶対的な存在であると考えていたが、光輝は自分の意思を貫いて、自分の景色をみるみる広げていったことが、僕に爽快感を与えた。はつらつと精一杯生きている時間が、しずかな思い出として光輝の中に残されたのだろう。

 僕の思い出の中で、唯一無二の場所とはどこで過ごした時間になるのだろうか。今過ごしている瞬間瞬間がかけがえのないものなるように生きていたいと思う。

 そして今この瞬間にも、ウイルスに苦しみ、死と向き合い、絶望の淵に立たれている人達もいる。そのような人達には、光輝のように、思い出の「しずかな日々」があれば少しでも心が救われるのではないかと、と僕は願う。

 

以上

 

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